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生体臓器移植について>「わたしのなかのあなた」「新ブラックジャックによろしく」 [本・テレビ番組・ドラマ・映画・マンガ・アニメ]

今は、マンガをあんまり読まなくなってしまった。
いちおう、ちゃんと読んでいるのは「医龍」「エンゼルバンク」くらいかな。

少年マンガからは完全に離れてしまったなあ・・・最後まで読んでいたのは「はじめの一歩」だけど、今はもう読んでない。主人公と宮田君との決着は気になるけど、その話が描かれるのはおそらくずっとずっと何年も先だろう・・・悪くすれば、ずっと描かれないままかもしれない・・・人気がある限り、延々と続くマンガはそうなる可能性もある。

だから、マンガからは離れてしまった。
物語上破綻なく、矛盾なく、冗長にならずに、拡げた風呂敷をきれいにたたみ、ちゃんと終わることができる稀有な作品は「ハガレン」くらいだろう。

というわけで、マンガに夢中になるってことはなくなってしまった。付き合いきれない、というのが正直なところ。

私が歳をとった所為もあるだろう。
なので、マンガだけでなく、あらゆることに、それほど夢中になれなくなってしまった、というのもある。
それでも、気になる作品や、チェックしてみたい作品はあったりするし、映画や小説、テレビドラマはそれなりに楽しんでいる。


前置きが長くなってしまった・・・

海外小説「わたしのなかのあなた」を読んで、生体臓器移植について考えてみた。↓



マンガ「新ブラックジャックによろしく」も、移植編をやっている・・・
主人公の医者は、友人の女性に腎臓を提供することになったが・・・
・・・うーん、恋人や家族でもないのに、そんな簡単に「腎臓をあげられるかい?」と・・・共感できない。

生体移植のドナーとなるのは、やっぱリスクはあるし、腎臓がひとつになると、結構「疲れやすくなる」ようである。
それに「腎臓がひとつだけ」というのは不安だろう。
激務な仕事をしている主人公にとって、疲れやすくなるのは、かなり困るだろう。


・・・で、他に、臓器移植を扱った物語で、「わたしのなかのあなた」という海外小説を読んだ。(映画にもなったようである)

舞台はアメリカ

病気(白血病)の姉のドナーとして、遺伝子操作されて生まれてきた妹が、最初は骨髄などを提供する。
が、姉は腎臓も悪くなり、移植が必要となった。でも完治の可能性は低く、延命にしかならない。
それなのに、妹は、両親から「腎臓を姉に提供するよう」仕向けられ・・・それに対し「NO」を言うために、親を訴える物語である。妹の年齢は14歳という設定。

アメリカの法律がどうなっているのか知らないが、日本では未成年が生体移植のドナーになることは禁じられているようである。

まず、医者が反対する。
とくに女子の場合、腎臓を提供すると、その後、妊娠出産のときに、かなりのリスクを背負うことになり、「将来、子供を産みたい女性」が腎臓を提供する、というのは、ものすごい覚悟がいるらしい。
ドナーになりたいといっても、もちろん医者や親は止めるだろうし、未成年であればドナーにはなれない。

アメリカは違うのか・・・

というわけで、この物語にかなり違和感をもった。
しかし、テーマは「家族愛」なのだ・・・

親の長女(姉)への愛は分かるが、次女(妹)に対し姉へ腎臓を提供するように仕向ける行為は愛ではないだろう。親のエゴである。

家族愛を描いた、と言われても、かなり「?」がついてしまった。

そして、結末は・・・

「ちょっとそれはないんじゃないか・・・」と思った。

以下ネタバレ。



妹は「腎臓を提供したくない」と、親を訴えたが・・・
実は、妹は、姉に腎臓を提供したくないから、両親に訴訟を起こしたのではなく、 実は「もう治療はやめてほしい」という姉からの強い希望があったからなのだ。姉は妹にだけ、「治療をやめたい」と、自分の本当の気持ちを打ち明けていた。

つまり、妹は「姉に腎臓を提供したくない」というわけではなかった、というのだ。 姉の希望のために「腎臓を提供したくない」と親を訴えたのだ。

けど、結末は・・・

なんと、妹は交通事故で脳死状態となり、姉に脳死した妹の腎臓が移植されることになるのだ。

で、妹は死に、姉は生き残ることとなった。

しかも奇跡的に、姉は病気が治る。

うーん、なんだか妹があまりに不憫というか・・・ 最後は脳死になり、結局、ドナーになるのだ・・・

で、妹が姉のドナーになることを拒否した理由が、「本当は治療をやめたい姉の願いだった」というのではなく、
あくまでも妹は「自分の体がドナーとして傷つけられるのが嫌だった」というほうが共感できたのに、と思う。

いや、実際、生体移植でドナーとなり、その後、完全な健康状態に戻れなかった人もけっこういたりするらしいから・・・やはりドナーになるのは怖いだろうと思う。
それに絶対安全ではなく、万が一の事故もありうるわけで・・・簡単にドナーになれるものじゃないと思うのだけど。

そして、上にも書いたが、将来出産を希望する女子が腎臓移植のドナーになるのは、大変なリスクを背負うことになるのだと聞く。
出産をあきらめなくてはいけないかもしれない。

そういったリスクを分かった上で、ドナーになりたいのか、である。
かなりの葛藤があって当然だと思う。

こういった物語では、臓器をもらう側の葛藤は描かれるが、提供する側の葛藤は、あんまり描かれない。
でも、そういったことも、ちゃんと描いて欲しいと思った。


というわけで「ブラックジャックによろしく」も、この海外小説も、ドナーやその周囲の描き方に「?」がついてしまうのだ。
ドナーになることについてのリスクを考えなさすぎでは、と。
ドナーになることの葛藤が描かれなさすぎなのでは、と。






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追記

「わたしのなかのあなた」

どう見ても、純粋な家族愛がテーマとはあんまり思えない。
いや、家族愛という名のもとに、母親が次女(妹)に長女(姉)を救うためにドナーになれ、と強要するのだから・・・エゴがテーマだというなら納得である。

あくまでも自分の体が傷つけられるのを恐れて姉のためにドナーになることを妹が拒否したとして、
もし、それで姉が死んだとしたら、拒否した妹は、一生、母親から「冷たい娘」と責められるのだろうか・・・と思ってしまう。
妹にとっては酷なことだ。

でも妹は交通事故で脳死となり、姉に腎臓を提供、姉は奇跡的に完治し生き延び、めでたし、めでたし・・・長女(姉)の死を非常に恐れていた母親は、次女(妹)の方の死は、あっさりと乗り越えたようである。

長女(姉)の死と次女(妹)の死の重さは、この母親にとって違ったのだろう、と思わせられる、ある意味黒い物語である。
・・・穿った見方で申し訳ないが、母親の次女(妹)に対する言動はとても「愛」だとは思えないお話であった。

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余談

この物語「わたしのなかのあなた」の中で、姉は抗がん剤治療のため、髪が抜け、坊主状態になってしまうが、そんな姉(長女)を励ますために、母親は自分も坊主になり、妹(次女)の頭も坊主にしてしまう・・・そんなシーンがある。

まあ、この場合、次女は坊主になることを嫌がりはせず、むしろ喜んでいたのだけど・・・

この手の話はよく聞く・・・

アメリカの実話を元にしたという三船美佳主演の邦画「友情 フレンドシップ」もそうだった。
14歳の主人公が抗がん剤の治療のため、髪が抜け、坊主になってしまうのだが、そんな主人公を応援するために、女子を含めたクラスメート全員が坊主頭になるのだ。

しかも、青々とさせた半端ではない坊主頭、つまりスキンヘッドだ。

美談かもしれないが・・・ふと、思う。
中には、坊主になることが嫌だった子もいるのではないか、と。
(いや、フィクションではなく実話が元だというから)

とくに女子はそうだろう。でも、クラス全員で「坊主になろう」と言われれば、嫌とは言えない。
断れば「冷たい人」の烙印を押され、ずっと白い目で見られ、村八分状態になるだろう。

クラスの中では、皆が坊主だからまだいい・・・けど、学校以外のところでは、青々とさせた坊主の女子はかなり目立つだろうし、ヘンな目で見られるかもしれない。

実話なのだ・・・
きっとその中には、悲しくて落ち込んだ女子もいたかもしれない。おしゃれをしたい年頃なのだから。
もちろん、病気の主人公と親友だ、というクラスメートは坊主になることに積極的に同意しただろう。
でも、親友というほどではなく、つきあいが薄かった挨拶を交わす程度のクラスメートもいたはずである。
けど、「病気の友達のタメに」という旗印のもとで、坊主=スキンヘッドになるのは嫌だ、とは言えないだろう。

全員が心の底から快く同意したとは思えないのだ。

少なくとも、私はスキンヘッドになるのは嫌である。14歳のときならば、なおさらだ。
生活場所は、学校だけではないのだ。

一見美談であるが、「愛、友情」を装った「強制」であり、断れない雰囲気を作ってしまい、「皆同じ」にしてしまうのって、本当に美しいことなのか?と。嫌々ながら従った犠牲者がいるかもしれない。

坊主も、そうでないのもいて、皆それぞれ違うのが当然ということで、坊主になった病気の主人公をいつもと変わりなく迎えてあげるほうがいいんじゃないだろうか・・・

全員同じにするというのは、なんだかかえって不健全のような気がする。なぜ、同じにしなくてはいけないのか?と思う。

美談?・・・「愛」を装った「強制」ということで、「わたしのなかのあなた」と「友情」に同じようなものを感じた。

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